Act.7たった今、アレン・神田・シャリア・風牙+αは飛び乗り乗車をした所だ。どうやってかって? 建物の屋根を移動して、トンネルを抜けて来た列車に飛び移ったのだ。 Act.7 「困りますお客様! こちらは上級車両でして「月と陽の者だ。そしてこっちは黒の教団」 男の言葉を遮ってシャリアはいつもの様に淡々と言う。男はアレン達の胸のローズクロスを見て 慌てて礼をする。 「黒の教団の方と蒼黒の陽月様でしたか。ご無礼をお許し下さい」 「別に良い。それより一室借りたいのだが?」 「少々お待ち下さい」 男はぱたぱたと駆けて行った。 「何でさっきの人は僕等を見て驚いていたのでしょうか」 「貴方方の胸に着いているローズクロスはあらゆる所に入る事をヴァチカンの名において許可されているのです」 「あぁ、だからですか」 「それで、私は今回マーテルまでお供をする事になった捜索部隊のトマ。宜しくお願い致します」 挨拶も終わり数分もすると男は何やら鍵を持って帰ってきた。 「(何故鍵を持っているのでしょう。もしかして、牢屋に入れられるんじゃ...)」 「お待たせいたしました」 男はそう言って、鍵をシャリアに渡す。それを当たり前のように受け取るシャリアに、面倒臭そうに見る風牙。 「(檻に入れられるんだっ)」 【(な~んか、アレンが勘違いしてるっぽいんだよな~)】<大当たりです旦那! 「いつもの部屋でございます。ドウゾ寛ぎ下さいませ」 「あぁ。ありがとう」 シャリアは固まって動かないアレンを仕方なく引きずって部屋まで行く。神田とトマはそれを 引きつった顔で見ていた。<助けてやれよ; BIPと書かれた扉の前でシャリアは止まった。 「此処か?」 【そうだ。俺等は列車に乗る時は何時も此処を使う】 シャリアは鍵を開けて扉を開き、其の中にアレンを乱暴に放り込む。放り込まれた勢いで、 運悪くテーブルの角で額をぶつけてしまった。 「~~~~~っ」 【(あれは痛そうだな...)】 此処まで酷いと、AKUMAよりシャリアの方が性質が悪く見えるのは気のせいではないと思う。<あ、何か日本語が変...? トマは扉の前で見張りをすると言って、部屋には入らなかった。神田は部屋に入り絶句した。 そこ等のホテルより部屋質が良いのだ。神田は疑いの眼差しをシャリアと風牙に向ける。 シャリアはアレンに蹴りを入れて起している。風牙はそれを苦笑して見ていたが、神田の視線に 気付いて視線を交じらせる。神田は風牙の視線が巻きついたかのように身体が動かなかった。 「風牙...何をしている」 【視姦?】 「やめろ、アレンが話があるそうだ」 【へいへい】 風牙が神田から視線を外すと、疲労がどっと出たのか体がふら付く。そのままバランスが取れず前へ倒れる。 「っ!?」 【っと、危ねぇ。気をつけろよ?】<お前の所為だろうがっ 神田が倒れる前に風牙が抱きとめる。見た目は細く頼りなく見えるが、意外と筋肉が付いており とても頼もしいと触れて分かった。神田がしばらくそのままボーッとしていると「くくっ」と 喉で嘲笑する声が聞こえた。神田は視線を風牙と合わせる。風牙はそっと神田の髪を手に取り軽く口付けた。 瞬時、神田の顔が赤に染まる。それを見てまた風牙が笑う。 「そこ、この話をBL風にするな」 【いいじゃねぇか別に。俺は女に興味ねぇし】 「.........はぁ。ま、こっちに被害が無いようにするなら良い」<良いのかよっ アレンは口をぱくぱくして赤い顔の神田を見る。とにかく、話を進めようと神田と風牙、アレンとシャリアと 二つに分かれお互いが向き合うように座った。 「で、質問なんですけど。何でこの奇怪現象とイノセンスが関係あるんですか?」 「(めんどくせ...)」 神田はチラリとシャリアを見たが、シャリアは窓の外を見ていて神田の視線に気付かない。 いや、気付いているのだろうがシャリアはこっちを向く気配はない。次に視線をやったのは風牙だ。 風牙は窓から入ってくる光で美しい金髪がより一層綺麗に見えた。それをジーッと見ていると 風牙が神田の目の前で手を振っていた。 【どうしたんだ? ボーッとして】 「っ、なんでもない!」 「神田、説明...」 「ちっ、分かったよ」 「(舌打ちっ?!)」 シャリアに言われて神田は渋々説明する。其の間もシャリアは窓の外を眺めていた。森も草原も川も無い、唯の荒地を―――― 05/05/07 ジャンル別一覧
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